2011年6月24日金曜日

乳酸菌の効果について〜ここまでの考察

考え方ややり方に誤りがあったら指摘をお願いします。
どんな意見も歓迎です。

放射能汚染土に乳酸菌をかけた場合、一時的に線量が下がります。2日目に35%程度下がりました。乳酸菌を投入するまえに容器の横にサーベイメーターを接して計測した値と、投入後に同じ位置と同じ方法で計測した値を比較した結果です。汚染土とサーベイメーターの間には、投入後にわずかな乳酸菌溶液の壁があるに過ぎないので、その壁が放射線を遮蔽したとしても、それはわずかなものではないかと思います。
計測した機器はROTEM社のRAM GENEです。ガンマ線のみを計る設定です。

放射性物質が多い場合は、後から後から放射性崩壊して放射線が出てくるので、その環境で乳酸菌が生き続ける・増え続ける必要があると思う。

乳酸菌投入の4日後。投入前と変わらない線量に戻りました。乳酸菌が減少しているようでガスが出ていない。どんどん後から放射性物質が崩壊して放射線を出すので当然の結果とも思います。

飯舘村で行われた専門家の説明によると、土に含まれる放射性物質はセシウム134と137がメインらしい。それらの半減期がきて放射性物質が半分に、それを繰り返して最終的には安定した原子核になり放射線量が0になる。乳酸菌が放射線を吸収するだけなら、長期間、乳酸菌を投入し続ける、あるいは生かし続ける・増やし続ける必要があるので、そのような環境を作るのは困難だと思います。自然の力を利用するなら、例えば植物と乳酸菌が協力して長期間汚染土壌に接して処理をするということが必要になると思う。

乳酸菌が放射線を吸収するだけでなく、不安定な原子核を安定させる方向に誘導するなら役に立つ。半減期を待つ必要がないから。もしそれが可能なら、乳酸菌によって処理された土が、時間が経っても放射線を出さなくなるはずですが。まだそれを確認できていません。

自然界の仕組みを使う方法なので時間はかかるはず。乳酸菌を撒いてすぐに、あら不思議放射線が!みたいにはならないはず。ただ、それでは実験にならないので、短時間に大量の乳酸菌に土をさらすようなやり方をして検証したいと思います。これが次の課題です。


これまでひまわり組が計測した放射線率は写真をこちらに掲載しています。
写真には位置情報が記録されいるので測定場所も特定できます。

2011年6月22日水曜日

乳酸菌投入した土のサンプルからの放射線の経過1

飯舘村から採取してきた土壌サンプルから出ている放射線量率の経過です。
ROTEM RAM GENEを土の入った瓶の蓋を空けて、最も土に近づけた状態で計測。
サーベイメーターの表示する値は13〜17で平均値かつ最も頻繁に表示される値がこの15という値です。


正味3リットルほどの土に対して、900ccほどの乳酸菌溶液を投入して、
何度か瓶を逆さにしたり横にしたりして乳酸菌を浸透させています。
計測場所については、このサーベイメーターで環境放射線量率を0と表示する場所です。

今回記録した数値は昨日、一昨日記録したした数値と変化がありません。
この方法ではこれが限界なのか、方法に問題があるのか。

瓶の中の土の上には1cmほど乳酸菌溶液がたまった状態です。そのために土とサーベイメーターの距離は1cmほどあります。
瓶の横でガラスを隔てて計測すると19という数値を表示します。乳酸菌溶液が浸透する前にこの位置で計測した値は29でした。(ともに数回計測した平均値)

計測日時:平成23年6月22日午前6時

2011年6月20日月曜日

土壌のサンプルから出ている放射線量率

写真は一つ前の投稿で書いた福島県相馬郡飯舘村の土のサンプルから出ている放射線量率です。

サンプル採取方法

サンプルはなるべく線量の高い部分を集めるために表面の土だけにしました。



計測条件と計測方法

環境放射線を拾うのを避けるため、環境放射線率がこのサーベイメーターで0〜1を安定して表示される場所を選ぶ。
同じ場所で4回計測した平均値を読む。
ビニール袋に入ったサーベイメーターが土に触れるように置いて計測。
DP802iで計測すると3μSV/h前後の値を表示していました。
この後、乳酸菌を瓶の中に投入。

撮影場所

栃木県矢坂市土屋周辺の路上

乳酸菌投入日時

平成23年6月19日午後2時54分

ひまわりは放射性物質を吸収するか?乳酸菌は放射性物質を減らしてくれるか?

ひまわり組の中の人たちが協力して、ひまわりの苗を育て、乳酸菌を培養しました。
ひまわりが土の中の放射性物質を吸い上げてくれるというニュースを見ました。乳酸菌製剤を使ったマウスによる放射線耐性実験の論文も見つけました。飯山一郎氏などの乳酸菌が放射能対策に有効だという方が大勢いるようです。

金も力もない普通の人が何ができるだろうと考えた末、ひまわりと乳酸菌を持って福島に行こうということになりました。
平成23年6月12日と6月19日に2人のメンバーが福島県相馬郡飯館村に行って、ちょっとした実験をしたので、その結果をご紹介します。


6月12日の作業

飯舘村の耕作をしていない場所を探して、ひまわりの苗を植えました。
面積は4平方メートル程度のひまわり畑です。
概ね30cm間隔で6本のひまわりの苗を5列に植え、そのうちの2列には下の写真のように苗の周りを藁などで覆って乳酸菌を散布。その他の3列には水のみを散布。(水はあらかじめ浄水したものを持ち込んだ)



6月19日の作業

  1. ひまわり畑に隣接する遮蔽物のない土壌の上でGM管方式のサーベイメーターで放射線量率を計測。
  2. 次にひまわりの根元部分の土壌の上でGM管方式のサーベイメーターで放射線量率を計測。
  3. 次に乳酸菌を散布した土壌の上でGM管方式のサーベイメーターで放射線量率を計測。計測の際には藁などをすべてどけて地面を露出させる。


計測条件および計測方法

  • 計測場所の環境放射線量率は2.5μSv/h程度。
  • 一カ所につき概ね4〜8秒おきに3〜5回を計測してサーベイメーターの表示を写真に記録。
  • サーベイメーターはあらかじめビニール袋に入れて、土壌に直接置いて計測。
  • 撮影場所は上記1〜3についてそれぞれ3カ所。(隣の撮影場所との距離は30cm〜50cm)
  • 計測に使用したサーベイメーターはDP802i(中国製)とROTEM RAM GENE(イスラエル製)。
計測中の写真

計測結果

1.ひまわり畑に隣接する遮蔽物のない土壌の上でGM管方式のサーベイメーターで放射線量率を計測

時刻DP802iRAM GENE計測場所
7:10:17 7.17 40 A
7:10:21 7.09 44 A
7:10:27 7.03 41 A
7:10:52 6.84 43 B
7:10:56 6.84 43 B
7:10:17 6.71 69 B
7:10:17 6.90 35 B
7:10:17 7.15 41 C
7:10:17 6.96 41 C
7:10:17 7.22 42 C
7:10:17 7.10 41 C

2.ひまわりの根元部分の土壌の上でGM管方式のサーベイメーターで放射線量率を計測

時刻DP802iRAM GENE計測場所
7:12:07 6.02 39 D
7:12:11 5.64 39 D
7:12:17 5.70 36 D
7:12:32 5.52 36 E
7:12:38 5.33 36 E
7:12:44 5.45 37 E
7:12:48 5.77 37 E
7:13:23 5.64 41 F
7:13:27 5.52 42 F
7:13:35 5.96 39 F

3.乳酸菌を散布した土壌の上でGM管方式のサーベイメーターで放射線量率を計測

時刻DP802iRAM GENE計測場所
7:14:12 6.18 34 G
7:14:18 6.11 36 G
7:14:22 7.09 36 G
7:15:45 5.70 15 H
7:15:50 5.01 14 H
7:15:56 3.88 15 H
7:16:04 3.50 17 H
7:16:46 8.04 33 I
7:16:53 7.22 32 I
7:16:59 7.09 32 I
7:17:09 7.28 32 I

下のグラフはトレンド線を追加した上記計測結果です。






































3の乳酸菌散布のデータにばらつきが大きいのは、乳酸菌が均一に散布されていないことを示すものと思います。
もう少し奇麗なデータが取れなければ考察をするのが困難です。

わずかにひまわりの根元の方が、何も処置をしていない土壌の上よりも、計測値は低い傾向にあります。
乳酸菌を散布した土壌の放射線量が大きく下がっているデータがありますが、これだけをもって「乳酸菌がいい!」と言い切れるかは疑問です。
ぬか喜びにならないためには、追試が必要だと思います。

何度も現地に行って実験をするのも大変です。
興味のある方は、同様の実験を行って、情報の公開・共有をしていただきたいと思います。
協力できる事があれば協力させていただきます。

この実験とは別に、6月12日に少量の放射性物質で汚染された土のサンプルを採取し、乳酸菌投入後に放射線量率が変化するかを検査しました。乳酸菌を投入した7時間後にはサーベイメーターが表示した数値はとても低いものでした。
ただしサンプルが少量だったために、追試するために今回もサンプルを採取して持ち帰りました。
こちらは少し経過を見てから計測値を公開する予定です。

ご意見、お問い合わせのコメントは大歓迎です。