2011年7月12日火曜日

複合発酵法?

特許「複合微生物体系の複合微生物動態系解析における複合発酵法を用いた放射能・放射性物質分解処理方法」
http://www.patentjp.com/17/U/U100114/DA10001.html

要約にはこう書かれています。

課題
放射性廃棄物は、従来の科学技術では処理することが不可能であり、危険性を回避した状態で保存して、放射性廃棄物が放射線を放出して自己崩壊するのを待つものに過ぎない。

解決手段
本発明は、複合微生物体系の複合微生物動態系解析における複合発酵技術を用いて、処理槽内の酸化・変敗・腐敗を止め、すべての好気性および嫌気性フザリウム属菌群(酸化性細菌群)を抑制し、沈澱槽において固形発酵を起こさせることで、複合微生物の循環サイクルを起させ、難分解性の放射能・放射性物質に対する分解菌、分解酵素を現生、発現させ、分解消失する方法を提供するものである。


つまり、こういうことでしょうか?
微生物を使って、酸化や腐敗を防止してから、複数の微生物の集団による発酵環境を作って、その中で放射性物質に対する耐性を持ち、分解能力を持った菌や酵素を発生させることによって、放射性物質を安定した物質に変えようというもの。


複合発酵法の微生物プロセスは簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。

1.微生物酵素と植物酵素による抗酸化効果によって酸化・変敗・腐敗を抑制。
2.好気性発酵微生物(酵母、乳酸菌など)がビタミン、ミネラル、アミノ酸などの生理活性物質を作り、大腸菌や糸状菌などの好気性有害菌を抑制。
3.通性嫌気性乳酸菌にリレーして放線菌が出現し、抗菌性物質を作り、細菌、病原菌などの嫌気性有害菌を除菌。
4.窒素固定細菌や根瘤菌が空気中の窒素を固定。
5.光合成細菌や藻類、藻菌類などの合成型の微生物が気体を培地として置換と交換を行う。

1から4のプロセスは目的の菌を発生させるための環境整備で、5のプロセスで菌を発生させる。
この方法で放射性物質を安定化させる菌を作れるかどうかは疑問です。
そういうことが起きるかもしれないとは思いますが、「やってみないとわからない」というものではないでしょうか。

こういう発酵環境は農家さんなら作れるんじゃないでしょうか?
光合成細菌や藻菌が元気よく増える状況をチップや竹炭などの上に作って、そこにゆっくりと汚染水を流すなんていうのはどうでしょうか?

チップや竹炭なら発酵菌を大量に保持できます。
飯舘村の汚染土に含まれているのがほとんどセシウム(Cs134とCs137)だそうです。
セシウムは融点が低いので、例えば土を熱して水に通せば水の中に流れ出るんじゃないでしょうか?ダメかな?
そのセシウムを含んだ汚染水を何度も発酵環境の中を通す。
有用な菌を発生させられればという条件が満たされないといけませんが。

簡単な設備を作って実験できるといいのですが。

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